まちづくり連続講座 1

私たちはどのように21 世紀のまちをつくっていくべきか

人口減少時代の到来。町がなくなる。
安倍政権の「地方創生」の行方は

 国際的にみても、人口減少化、少子高齢化が着実に進む今の日本の状況ほど、真摯な地域政策、都市政策が求められているところはありません。我々が生きていく上で、「国土・地域・都市」のあり方を考えることは、経済や制度、コミュニティ等、全ての基礎を考えることにもなるからです。
 戦後の日本社会がどのような思想と制度に基づいて国土・地域・都市を考え、つくってきたか、またこれからどのようなビジョンのもと、思考し、生み出していくべきか、有識者を交え、実際にその土地で生きる人々の立場から、考え、4 回にわたって議論していきたいと思います。
 第一回は、人口減少化社会において、望ましい地域・都市のイメージはどのようなものか、2020 年の東京オリンピックに向かう中、都市への集中を加速化させることで果たして良いか。足元たる現状の地域・都市政策は適切か、都市計画・都市政策・政治をいかに適切に展開していくかについてがテーマです。

●問題提起●
大野 秀敏 東京大学前教授
五十嵐敬喜 法政大学名誉教授

●2人による対話●
特別ゲストによる講演も現在調整中です


2015 年 4月29日( 水・祝)13:00 ~16:00
法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー26 階スカイホール
【資料代】各回1000円(各回それぞれの参加も可)
【申込み】ホームページから申込
【問合せ】510@machi-kaeru.com
主催:法政大学ボアソナード記念現代法研究所 都市法プロジェクト(仮)
協賛:公共事業改革市民会議・都市計画道路連絡会・景観と住環境を考えるネットワーク・区画整理連絡会(仮)

■大野秀敏 略歴
1949岐阜県生 1972 東京大学工学部建築学科卒業
1976-1983 株式会社槇総合計画事務所
1999 東京大学教授(新領域創成科学研究科環境学専攻、工学部建築学科兼担)
2015 同退官
■主な建築作品と受賞(*印以外はアプル総合計画事務所との共同)
1991 茨城県営石岡南台アパート(平成3年度全建賞)
1993 NBK関工園事務棟・ホール棟(1993年度社団法人新日本建築家協会新人賞)
1993 茨城県営松代アパート(1995年日本建築学会作品選奨)
1994 YKK滑川寮(1996年日本建築学会作品選奨)
1999 上海市立美術館改修設計競技1等*
2000 都営地下鉄12号線春日駅(2001年度グッドデザイン賞、施設部門金賞)
■著作に
『見えがくれする都市』:槇文彦他との共著(1980)鹿島出版会
『fibercity Tokyo 2050』雑誌JA(The Japan Architect)63 号2006年秋号特集 新建築社
『シュリンキング・ニッポン~縮小する都市の未来戦略』共著(2008)鹿島出版会など多数

■五十嵐敬喜 略歴
1944 山形県生 1966 早稲田大学法学部卒業
1968 弁護士登録
1995 法政大学法学部教授
2014 同退職、同名誉教授
■著作に
『美の条例~いきづく町をつくる』共著(1996)『美しい都市をつくる権利』(2002)、『美しい都市と祈り』(2006)以上学芸
出版社
『都市再生を問う』(2003)、『道路をどうするか』(2008)以上共著、岩波新書
『国土強靭化批判』(2013)岩波ブックレット
『現代総有論序説』(2014)ブックエンドなど多数

p r o . l e
登壇者のプロフィール

森まゆみ

早稲田大学政治経済学部卒業。1984年 。「地域誌を聞き書きによって掘り起こし、記憶を記録に替える」地域雑誌「谷中・根津・千駄木」(谷根千工房)を創刊、‘09年終刊後、「人びとの涙の壺」としてのアーカイブつくりをはじめ、「谷根千・記憶の蔵」を運営、いままでの資料を整理するとともに、映像による地域の記録をはじめホームページで公開。並行して、上野の奏楽堂、赤煉瓦の東京駅他の保存、不忍池地下駐車場の反対、国立競技場の修復と神宮の森の保全を訴える。NTTタウン誌大賞、サントリー地域文化賞。1997年 「鴎外の坂」で芸術選奨文学大臣新人賞。2003年 「即興詩人のイタリア」でJTB紀行文学大賞。2014年「青鞜の冒険」で紫式部文学賞。近著に「暗い時代の人々」「子規の音」「お隣のイスラーム」「五足の靴をゆく」など。

日置圭子

約 10年間ニュータウンで子育て中心の生活を経験した後、2000年に神楽坂に引っ越し、神楽坂のまちづくり活動に携わる。2004年から NPO法人粋なまちづくり倶楽部副理事長として、主に文化・伝統芸能を通じたまちづくりを担当。同年より、まちの文化祭「神楽坂まち飛びフェスタ」実行委員長も務める。2007年に株式会社 粋まちを設立し、神楽坂を拠点に「地域の文化を活かした、暮らしを豊かに、人生を幸福にする」まちづくり・文化企画の事業的展開に取り組んでいる。近年は地方の地域活性化事業や文化企画等に関わることも多い。2013年から毎年開催している「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」(主催:アーツカウンシル東京、NPO法人粋なまちづくり倶楽部)ではプログラムコー
ディネーターを、地元新宿区では、新宿フィールドミュージアム協議会運営部会座長を務めている。

谷口親平

1946年京都市(現住所)生まれ。大阪工業大学土木工学科卒 。休学して 2度の欧州ヒッチハイク後、パシフィックコンサルタンツ株式会社入社。道路・トンネルの調査・設計(平成元年土木学会関西支部技術賞)、阪神淡路大震災復興に従事。都市地下空間活用研究会主任研究員、大阪工業大学非常勤講師。パシコン関西設計代表取締役社長。1995年、都心部での3棟のマンション建設計画に異論を唱え、以来、商業地域での国内最大規模の建築協定締結、街なみ環境整備、地区計画の条例化、京都を彩る建物や庭園(推薦活動)等、目に見えるまちづくり活動を継続(2015年国土交通大臣賞、2017年京都市長賞)。2015年「姉小路界隈まちづくり協議会」を開局し建設(営業行為を含む)、看板に関する意見交換会の事務局長。地方都市のまちづくりにも関わっている。技術士(建設部門)

松岡嘉代子

1947年/向ケ丘遊園隣接地に生まれる。大学からの 20年間京都在住。結婚と子育、1986年/介護のため実家に戻る、2002年/「向ケ丘遊園の緑を守り、市民いこいの場を求める会」を結成。事務局長、2002年/「川崎まちづくり・環境運動市民連絡会」(川崎まち連)に団体参加、2003年から 3年間川崎市緑政部所管の生田緑地整備構想・基本計画・管理計画作りに市民参加、2003年/「のぼりとゆうえん隊」、「まちなか遊縁地」に参加、2007年/生田緑地管理運営協議会に団体加入・副会長、「多摩丘陵緑地保全ネットワーク」(たまよこネット)の結成に参加、2013年/生田緑地管理運営協議会の発展形である「生田緑地マネジメント会議」(59団体)に団体加入・おもてなしのプロジェクトリーダー、2016年.生田緑地マネジメント会議事務局に参加、2017年.生田緑地マネジメント会議・副会長

日置雅晴

弁護士 1956年 三重県生まれ、1980年東京大学法学部卒業、1982年 4月 司法修習終了、弁護士登録(第二東京弁護士会)、2002年 キーストーン法律事務所開設、2008年 神楽坂キーストーン法律事務所開設、2009年 早稲田大学大学院法務研究科(法科大学院)教授就任、都市住宅学会会員、世田谷区福祉的環境審議会委員 、埼玉県防災まちづくり審議会委員、国立市まちづくり条例 検討委員 、練馬まちづくり条例 検討委員、まちの景観と空家等対策推進協議会委員長など 著書 『ケースメソッド環境法』(日本評論社 第 3版 2011年 共著)、『新・環境法入門』(法律文化社 2007年 共著)、(ポプラ社 2005年 共著)『最強の住宅相談室』

景住ネットについて
景観と住環境を考える全国ネットは、多発する建築紛争や街並み、住環境の破壊に反対する住民運動を全国でつなぎ情報を共有すること、先進諸国にくらべて環境を軽視した都市計画・建築制度の抜本的な改正を目的として 2008年に専門家や一般の市民によって設立されました。全国の建築紛争や反対運動の活動事例を共有するメーリングリスト。紛争事例集の出版、高度地区など紛争防止に役立つ制度の導入支援、まちづくり条例の普及をすすめる全国キャンペーンでは全国各地でまちづくり条例のシンポジウムを開催するなどの活動を続けてきました。しかし、市民による異議申し立ては減少傾向で、首都圏以外では開発自体が起きにくい状況もあり、景住ネットへの相談は市民のグループよりも個人単位のものが多くなっています。そのため紛争を有利にすすめたり、将来制度を見直して紛争をなくすなど街並みをよくする制度づくりへの動きも弱くなっているようです。

まちづくり連続講座

第2 回
2015 年5 月23 日(土)
13:00 ~ 16:00 55 号館531 教室
戦後都市と国土はどのように創られてきたか。田中角栄の功と罪

第3 回
2015 年6 月27 日(土)
13:00 ~ 16:00 55 号館531 教室
魅力的な都市とその制度的保障。都市法改革の提案

第4 回
2015 年7 月25 日(土)
15:00 ~ 18:00 外濠校舎S3071 教室
21世紀都市ビジョンの形成。「現代総有の提案」と田園都市
パネルディスカッション

主催

法政大学ボアソナード記念現代法研究所 都市法プロジェクト(仮)

協賛

公共事業改革市民会議
都市計画道路連絡会
景観と住環境を考えるネットワーク
区画整理・再開発対策全国連絡会議
(仮)